映像制作会社は働き方を問われている業種?

働き方改革が猛スピードですすめられている今日、映像制作業は働き方を問われている業種のひとつです。
なぜなら長いこと映像制作の現場は長時間労働ありきの世界だからです。まず制作する映像の素材を得るためには、ロケを組むなどして撮影をしなければなりません。このためには撮影シナリオを作る作業や、ロケ場所の確保や出演者のスケジュール調整、そのための移動など多種多様な作業が必要になります。どうしても時間がかかります。時には天候の変化を待ったり、動物が特定の動作をするのを待ったりする必要もあります。長い時間張りついて撮影し続けなければ撮れない素材もあります。
こうして手間をかけて撮れた素材も実際は数分や数秒しか使わないこともあり得ます。
映像作品は撮影にかけた時間や手間と、完成した作品の長さや価値が必ずしも比例しないのです。
また、撮れた素材は編集しなければ作品になりません。編集作業はディレクターが自身のコンピューター作業で完結できる場合もありますが、テレビで放送するような映像であれば専門の編集スタジオにて編集作業を行わなくてはなりません。たくさんの素材を繋ぎあわせ凝った編集をする以上、ここでもかなりの時間がかかります。ただ手を動かす作業に時間がかかるだけではなく完成像を思い描く、という思考作業そのものに多大な時間がかかるのです。
現在の労働時間管理の原則は、つねに上司の指示化や顧客対応など「労働下」に置かれていた時間を計ります。
映像制作業につき物の「完成を考えている時間」や撮影のための待ち時間、移動時間など、すべてを通算すると膨大な労働時間になってしまいます。
しかしそのすべての時間が、他の業種のような必ずしも労働に支配されていた時間とは言いにくい要素もあります。このあたりは映像制作業ならではの緩さも原因にあります。常にお客様や机と向き合っているわけではないので、労働の中にも自由な時間が多いのです。
多くの映像制作会社では、専門型の裁量労働制や変形労働時間制を取り入れてこのような不規則な働き方をなんとか法規に沿わせる事となります。しかしまだまだ会社と労働者の双方が納得して取り入れられる制度が確立されていません。結果的にディレクターやアシスタントディレクターの労働賃金が劣悪な状態に追い込まれてしまう会社も多々あります。
映像作品が日常のあらゆる場面で用いられ映像制作会社が増えている今日だからこそ、映像制作会社に向けた働き方のルールやモデルケースが必要となっているのです。